自己破産後に生活はどうなる?仕事やプライベートに及ぼす影響をチェック

借金の支払いができなくなっていて債務整理が必要なとき、多くの方がその手続きをした後にどのような生活が待っているのか、ということが気になるのではないでしょうか。

特に自己破産については、名前のインパクトもあり、人によってはまともな人生が送れなくなってしまうような印象をもっている方もいらっしゃいます。

しかし、多少不便になることはあっても、今の生活を維持したまま手続きを終えることは可能です。

自己破産手続きは弁護士に依頼した直後から生活に変化が生じますので、依頼から手続き終了までの間にどのような変化が生じるかを確認しましょう。

 

1.自己破産は弁護士への依頼の直後から生活に影響をする

自己破産手続きについては依頼直後から生活に変化が生じます。

 

1-1.督促が止まる

自己破産手続きの依頼をする方の多くが、返済ができずに電話や書面で督促を受けている状態です。

自己破産手続きを依頼すると、この督促が止まります。

これは、貸金業法21条9号によって、自己破産を含む債務整理を弁護士・司法書士に依頼をすると、正当な理由なく督促をしてはいけない旨規定されているからです。

 

1-2.返済をする必要がなくなる

自己破産を弁護士・司法書士に依頼すると、以後は返済をする必要がなくなります。

もちろん弁護士・司法書士に依頼しないで返済をしなければ督促を受けるのですが、自己破産手続きに着手する以上、元本がいくらかを確定する必要があります。

返済をする必要がない分、弁護士費用の分割払いをすることができるので、手持ちがなくても依頼をすることができるようになっています。

 

1-3.依頼をしても自己破産手続きが終わるまでは気を抜かないこと

実は、自己破産を弁護士に依頼をすると、督促がやむうえに、返済をしなくてもよくなるので、そのまま債務があるのを忘れたかのように自由に暮らし始める方がいます。

いままで切り詰めていた生活にすこしゆとりを持たせる、我慢していた旅行やレジャーに行く、子供を習い事に通わせるなどをする方がいらっしゃいます。

これによって弁護士費用の支払いをしないようなことがあり、弁護士からの連絡の電話にも出ない方がまれにいらっしゃるのです。

弁護士は弁護士費用の支払いがなければ辞任することになり、そうなると債権者から一斉に督促がくることになります。

自己破産手続きが終わるまでは債務者であるという認識は忘れないようにしましょう。

 

1-4.ブラックリスト

自己破産に限らず債務整理を依頼すると信用情報機関にその旨が通知されます。

その情報は信用情報機関で登録されるので、以後お金を借りたり、新たにクレジットカードを作る、スマートフォンを分割で購入する、といったことができなくなります。

自己破産の場合にはこの状態が最長で10年程度続くことになります。

お金の借り入れができなくなるので、郊外や田舎に住んでいて、自動車を買い替える必要がある、車検を普段からローンで行っている方は、あらかじめお金を貯めておく必要があります。

クレジットカードが使えませんが、ネットショッピングなどはデビットカードやプリペイドカードなどのサービスを利用することで代替できます。

このブラックリストについては生活に影響を及ぼすのは申し立てをした本人だけで、家族に影響をあたえるようなものではありません。

 

1-5.闇金融からのDMが届くようになる

ブラックリストと関係することなのですが、融資を案内する内容のDMが自宅に届いたり、携帯・スマートフォンのショートメッセージに届いたりします。

内容としてはブラックリストの人でも借りられる、といった内容のものになるのですが、これらは闇金融からの融資の案内です。

当然ですが、生活が苦しくても、このようなものに頼らないようにしましょう。

 

2.自己破産の申し立て後の生活の変化

次に自己破産の申し立てを申し立てた後の生活の変化を確認しましょう。

 

2-1.官報に掲載されるけど影響がある人のほうが稀

自己破産をすると官報に氏名・住所が掲載されます。

官報とは国が発行するもので、公的な内容(法律の公布や企業の決算公告)などに利用されます。

この中で、自己破産の申し立てをすると氏名・住所が掲載されるのですが、現実に官報に公告されたからといって、これを見ているような人はいないので、これによって身近な人に知られてしまうおそれはないと考えて良いでしょう。

 

2-2.住所の移転制限

自己破産の申し立て後は、住所の移転が制限されます。

これは、裁判所や管財人からの説明要求に対してきちんと応じてもらうために行うもので、引っ越しはもちろん、長期の出張・単身赴任のようなものも含まれます。

仕事で転勤となった、家賃をかけないために実家に帰るなど、必要がある場合には裁判所の許可を得る必要がありますので注意が必要です。

この制限は自己破産手続きが終われば終了し、このような制限が及ぶのは申し立てをした本人のみです。

 

2-3.職業制限

自己破産の申し立てをすると、宅建士・警備員・保険募集人などの登録を必要とする資格で仕事をすることができません。

例えば、宅建士の場合には、18条は宅建士の登録を受けることができない人として、2号で、「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」を挙げています。

このような条項のことを欠格事由と呼んでいます。

医師・薬剤師・看護師のように、人の生命・身体などに影響を及ぼすことから資格制にしている職業の方にはこのような欠格事由はありません。

欠格事由が問題になるのは、他人の財産を預かることになる職業の方のみです。

もし仕事を続けることを前提に債務整理をするのであれば、任意整理や個人再生を利用して、欠格事由を発生させないことが必要であると言えます。

 

2-4.郵送物が管財人に届けられる

自己破産手続きで少額管財になって管財人がつくと、手続期間中は郵送物が管財人にとどけられ、封を開けた上で中を確認されます。

これは、財産隠しなどを行っていないかを確認するためです。

確認が終わった郵送物は、一定の量が貯まると管財人から本人に送られてくることになっています。

郵送物が封の開いた状態でレターパックなどに詰められて送られてくることになります。

 

2-5.裁判所・管財人との面接の期日は平日なので仕事のある人は休む必要がある

自己破産手続きでは、同時廃止の場合は1回裁判所での期日が、少額管財の場合には管財人との打ち合わせ、裁判所での手続き合計2回の期日があります。

弁護士に依頼をするための事務所への訪問は土日夜間でも受け付けているところがあっても、裁判所・管財人との面接期日については平日に行うことになります。

平日に仕事している人にとっては仕事を休む必要があります。

 

3.自己破産手続きが終了したら

自己破産手続きが終了した後はどのようになるのでしょうか。

 

3-1.債務は原則免責される

借金などの債務については原則免責されますので、任意整理・個人再生のように返済をはじめる必要はありません。

ただし、養育費や税金など非免責債権は免責されませんので、滞納をしているものについては支払いをしていきます。

 

3-2.住宅ローンや自動車ローンを利用できる?

住宅ローンや自動車ローンも信用情報を確認するものになるので、ブラックリストの状態である間は利用することができません。

10年経過した後であれば、信用情報機関のブラックリストだけで判断されることはなくなるので、住宅ローンの場合にはしっかり頭金を貯めておく、安定した職業に就くなど、他の判断材料をしっかり良くしておくといいでしょう。

 

4.まとめ

このページでは自己破産後の生活、という視点で、依頼後・申立後・手続き終了後についてお伝えしました。

いろんなデメリットはあるのですが、その人の暮らしぶり次第で、実際にデメリットになるか、ならないかも変わります。

まずは専門家に相談をしてみてください。