過払い金調査で事前に準備すべきポイントを徹底紹介

過払い金調査で事前に準備すべきポイントとは

過払い金問題は、2006年の最高裁判所で、旧貸金業法と利息制限法のグレーゾーン金利差について、越えている部分の利息は過払い金として返還すべきであると判決が出たことで一気に過払い金返還請求が起こりました。

 

ただ、この判決と同年の貸金業法改正から10年以上を経過したことから過払い金返還請求件数は最盛期の10分の1以下まで減っています。しかし、それ以前から消費者金融を利用している方もいるため、今も過払い金返還請求をしたいという方もおられます。

 

この過払い金返還請求は、専門の大手法律事務所などを中心に委託する形で行われるケースが多かったのですが、現在でもその構造は変わっていません。

 

しかし、過払い金返還請求を法律事務所に委託するにしても、自分で請求するにしても、事前に準備しておかなければならないことがあります。

 

この過払い金返還請求において事前に準備しておかなければならないポイントについて解説します。

 

過払い金返還調査の準備は過去の借入先を思い出すことから始まる

過去の借入に対する過払い金返還請求は、まず過払い金があるのかどうかを調査することから始まります。過払い金がなければ、どれだけ準備しても請求することができず、無意味だからです。その準備の第一歩はどの貸金業者からいつごろ借りたかを思い出すことです。

 

過払い金の計算に必要な基本事項は借入先

かつて旧貸金業法の法定金利が利息制限法よりも高く設定されていたため、貸金業者は利用者に対して充分な説明をしないまま、高い金利で貸付けをおこなっていました。

 

そのことが最高裁判所で認定され、利息制限法を越えた利息は元金返済に充当して計算し直し、支払った返済金額が元金と法定利息を上回っている場合に、過払い金返還を求めることができる根拠となっているのです。

 

そのため、過払い金請求をするためには、どこから借りたのか、いつごろ借りたのかについての事前調査が必要になります。

 

また、貸金業法は2006年に改正されて貸金業者は利息制限法を越えた金利での貸付けができなくなっており、さらに過払い金返還請求には10年という時効があるために、いつ借りたのかも重要な要素となるのです。

 

時効を過ぎた過払い金は返還義務がなく、請求できません。

 

過払い金の計算に必要な事前準備が必要な基本事項の確認調査とは

過払い金返還請求をするためには、過払い金調査の事前準備の第一歩として、まず借りていた貸金業者が何社あり、いつからいくらを借りていたのかを調査する必要があります。

 

すなわち、細かい取引履歴は別にして、借入先と借入をスタートした時期を思い出すことが事前準備となるのです。

 

そのためは、できれば借入先から発行された利用明細を用意することが一番です。しかし、実際には過去の借入の明細書をとっている方はほとんどいません。

 

過払い金の計算に必要な基本事項調査の確認方法

そこでまず第一段階の調査として、記憶の範囲でどの貸金業者から借りたのかを思い出すことから始めます。実際には、毎月いくら支払っていたかを記憶している方もほとんどいませんね。

 

しかし、どこの貸金業者にいつごろから借りていたかさえ判れば、その貸金業者に問い合わせれば、過去の借入金額、返済金額はわかります。貸金業者には答える義務があるのです。

 

貸金業者のコンピューターには、過去の借入・返済のデータは磁気テープなどで保存されており、その記録から取引履歴を取り出すことは簡単にできます。

 

過払い金返還のための調査で何を調べるのか

過払い金請求の調査では、貸金業者から借入れをした金額と毎月いくら返済していたかという取引履歴がわかれば、あとは過払い金の金額を算出する調査に移ります。

 

過払い金の算出方法とは

過払い金返還請求金額は、利息制限法を越えていた借入先ごとに、初回借入時点にさかのぼって支払った利息金額と実際に利息制限法で支払わなければならない利息金額の差額を計算します。

 

これは非常に面倒な計算になります。単純に支払った利息額と利息制限法の金利を越えた金額の差額を累計するのではないからです。

 

すなわち、返済額をおこなった毎に、利息金額と利息制限法の利息金額との差額を元本に組み入れて、次の月の元本を算出し直すのです。そして、再び支払利息額と利息制限法利息との差額を出してまた元本を算出し直していくという非常に根気のいる作業をする必要があります。

 

しかも、何社からも借りている場合には、貸金業者毎にこの作業が必要になるのです。ただし、基本的には大手消費者金融などでは、顧客名などがわかれば、コンピューター上で計算してくれるシステムを持っています。

 

そのため、法律事務所などでは、大手消費者金融からそのデータを出してもらって、その検証をしてから過払い金返還の請求をおこなっているのです。

 

法律事務所に依頼する方法がある

ただ、計算はしないといっても検証をするだけでもかなりの手間と時間がかかります。個人でこれをおこなおうとすると、借入先が多いとかなりの時間が必要になります。また、実際に過払い金請求をしても、借入先との交渉が必要になります。

 

そのため、法律事務所などに返還請求を依頼するケースも多いのです。法律事務所では、借入先に依頼して融資金額、返済金額を提供するだけでなく、過払い金そのものの計算もしてもらっています。

 

実際の過払い金返還請求の結果は?

このように過払い金返還請求のための調査には、借入先といつから借りていたのかを思い出す作業から、さらにその借入先毎の借入・返済データの確認、そのデータに基づく過払い金金額の算出などの調査がおこなわれます。

 

貸金業者に過払い金返還請求をおこなう

この結果をもって、各借入先に対して過払い金返還請求をしていくことになります。請求金額については大手消費者金融などではすでに請求される金額はわかっていますが、簡単にすぐに全額を支払ってくれるわけではありません。

 

いろいろと理由をつけて減額を要求してきますし、実際の返還までに半年後とか1年後というような交渉がおこなわれます。

 

そのために、実際の請求をした方にはかなり減額された金額が一定期間を置いて支払われるのです。

 

過去に借りた貸金業者が存続しているかも重要

また、過払い金返還請求の事前調査で確認しないとならない点として、もう一つ、借入先が存続しているのかという問題があります。

 

貸金業者は、金融庁の資料では、2006年貸金業法の改正前に、登録業者数は27,551社ありましたが、2019年3月末では1,885社まで減少しているのです。

 

大手消費者でも武富士が破綻しており、請求できる先が限られていることです。借りた貸金業者が存在していなければ、請求のしようがありません。

 

したがって、かつての借入先を思い出すとともに、その業者が現在も存続しているのかどうかも確認しておく必要があるのです。

 

過払い金返還請求における事前準備のポイント

過払い金返還請求をするためには、実際に請求をする前に準備しておくべきことがあります。

 

この過払い金調査は、法律事務所などに依頼することも多いのですが、まず第一段階としていつごろどの貸金業者から借りたのかを思い出す必要があります。それがわからなければ、法律事務所に依頼したとしても調べようがないのです。

 

また、同時に借入れをした貸金業者が現在も存続しているのかも事前準備として調べておきましょう。