オリコ(オリエントコーポレーション)の過払い金請求はできるのか?返還率や回収率、ポイントのまとめ
長い間借金をしている方の中にはテレビやインターネットでよく見る「過払い金」の存在が気になっているのではないでしょうか。
過払い金のイメージとして消費者金融から借り入れをしていたときに発生するものというイメージがあり、オリコ(オリエントコーポレーション)のような信販会社にはできないのでは?と思っていませんか?
オリコから借り入れをしていた場合には過払い金が発生する可能性があります。
このページではオリコに対する過払い金請求についてお伝えします。
1.過払い金が発生する仕組み
そもそも過払い金請求はどうして発生するのでしょうか。
1-1.過払い金とは
過払い金というのは、貸金業者に支払い過ぎていたお金を返してもらう手続きのことをいいます。
貸金業者から借金(金銭消費貸借契約)をする場合をする場合には、毎月の返済日に利息をつけて返済をしなければなりません。
この利息については、契約者の生活を壊さないという観点から、利息制限法と出資法という法律で上限が決められています。
法律が2つあるのは、利息制限法は取引のルールに関する民事上の効力についての規定をしており、出資法は高利貸しに対して刑罰を科する規定になっており、目的が違うためです。
この2つの法律の上限金利ですが、2010年6月18日に改正された出資法が施行されるまでは、出資法のほうが高い状態でした(2010年6月17日までは29.2%)。
会社としては罪にならないように出資法は守る一方、利息制限法は違反しても刑事罰に問われないため、利息制限法を超えて出資法未満の利息(グレーゾーン金利)で貸し付けていました。
この金利については昭和43年11月13日に最高裁がした判決で、契約者に返さなければならないとしました。
このお金が過払い金となります。
1-2.過払い金が発生する条件
過払い金が発生する上限としては、グレーゾーン金利での貸付があった場合です。
銀行のカードローンや一部の信販会社・消費者金融のように、利息制限法以上の貸付を行っていない場合には、発生しません。
また、信販会社はクレジットの利用しかしない、という方もいらっしゃいますが、クレジットの利用は貸金ではなく立替金という分類になるため、過払い金は発生しません。
1-3.オリコ相手に過払い金はある?
ではオリコ相手に過払い金は発生するのでしょうか。
オリコは改正された出資法が施行される前の2007年4月1日には利息を利息制限法の範囲内にしています。
そのため、2007年3月31日以前にキャッシングを利用していた場合には、過払い金請求をすることができる可能性があります。
2.オリコに過払い金請求ができないケース
オリコに過払い金請求ができる可能性があるとして、過払い金請求ができないケースとしてはどのようなものがあるのかを確認しておきましょう。
2-1.そもそも過払い金がない
上述したとおり、過払い金はグレーゾーン金利で借金をしていた場合に発生するものです。
そのため、グレーゾーン金利で借金をしていない、つまり2007年4月1日以降のキャッシングやショッピングの利用については過払い金が発生しません。
ショッピング枠現金化をつかってお金を借りた場合でも、オリコとの関係ではショッピング利用になるので過払い金を請求する余地がありませんので注意が必要です。
2-2.時効にかかってしまった
過払い金を請求することができる法律的な根拠は、民法の不当利得返還請求権(民法703条)にあるとされています。
この不当利得返還請求権は、債権の一種で、その当時の民法の時効に関する法律の規定に従うと10年で時効にかかるとされています。
改正された出資法が施行されたのが2010年で、オリコが利息制限法の範囲内での貸付になったのが2007年ということもあり、過払い金がある状態で取引を継続していたような事情がなければ、過払い金は時効で消滅している可能性があります。
こうなると弁護士に依頼をしても請求をすることはできません。
2-3.過払い金よりも現在の残額の方が多い
取引をずっと継続しているような場合で現在残額があるとしましょう。
例えば現在オリコに30万円借り入れをしていて、過払い金が20万円発生していたとします。
この場合に、過払い金は過払い金で返してもらって、残額はいままでどおり分割で支払う、ということはできません。
この場合には、現在残っている残額と相殺をして、残額を10万円として以後の支払いを行うことになります。
3.オリコやその他の会社の過払い金を取り戻すための方法
では実際に過払い金を取り戻したい場合にはどのような手続きを行えば良いのでしょうか。
3-1.自分で過払い金をオリコ等に請求することはできないのか?
過払い金というと弁護士や司法書士が代理するのが通常なのですが、やはり費用がかかるものになるので自分で請求をすることはできないのでしょうか。
法律上は自分で請求することはできなくはありません。
しかし、過払い金請求をするためには、民法などの法律知識はもちろん、取引履歴の取り寄せ・引き直し計算などの過払い金に関する知識、裁判などの手続きに関する知識が必要です。
また、貸金業者の過払い金の担当者と交渉もしなければならず、一般人からの請求にそう簡単に応じない可能性もあります。
確かに費用はかかりますが、まかせっきりで最大限の過払い金の取り戻しをしてくれるので、弁護士・司法書士に任せることをおススメします。
3-2.過払い金請求を依頼するなら司法書士よりも弁護士
過払い金は借金から生じる問題なので債務整理の専門家に依頼をします。
債務整理は弁護士のほか司法書士も行っていますが、過払い金請求を検討しているのであれば弁護士に任せましょう。
その理由は、司法書士は140万円以上の過払い金請求を代理することができない、訴訟を起こして控訴されると対応できない、と過払い金請求の権限に制限があるからです。
あらためて弁護士を紹介されるよりも、最初から弁護士に依頼をしたほうがスムーズです。
3-3.法律相談に行く
過払い金を依頼するためにはまず法律相談に行きます。
法律相談には通常は30分5,000円程度の法律相談料がかかります。
ただ、過払い金請求のような個人の法律に関する問題については、相談料を無料とする弁護士が多いです。
事前に予約をとって、相談日時に弁護士と面談をします。
面談では、借金をしている債権者に関する情報を整理します。
事前に借り入れの内容について次のようなものをまとめておくと、相談がスムーズに進みます。
・債権者の会社名
・借り入れ開始をした時期
・当初の借り入れの利息
・途中で完済をしたことがあるか
・毎月いくら払っていたか
・現在の残額
契約書や領収書を全部とっていなければ詳細な状況はわからないと思いますが、できる限りの情報を集めておきましょう。
相談の結果そのまま依頼をしてもいいですし、他の弁護士に相談をしてから決めてもかまいません。
4.もしオリコなどへの過払い金がなくて借金の返済がつらい場合には
オリコなどへの借金返済が苦しいので過払い金請求をしたいと思ったけども、過払い金が出てなさそうな場合には、借金返済に良い手は無いのでしょうか。
このような場合には、借金返済を楽にしてくれる債務整理の利用を検討しましょう。
自己破産だけは嫌だ!と思っている方でも、債務整理=自己破産ではなく、任意整理や個人再生などの方法もあります。
専門家に相談すれば最適な手続きを提案してくれます。
5.まとめ
このページではオリコ(オリエントコーポレーション)への過払い金請求についてお伝えしてきました。
オリコ相手にも過払い金を請求できる可能性はあるので、弁護士に相談してみてください。