過払い金とは

長年借金をしていた人に向けてよく「過払い金」というものがあるという広告を長年見ていて実は気になっている…、という方も多いのではないでしょうか。借金というものがベースになっているので、人に相談をするということ自体が後ろめたい、そもそも借金をしているだけで何百万円をお金を返してもらえるなんて信じられない、などの理由からなかなか相談に踏み出せない、と思っていませんか?そこで、このページでは過払い金というものがどのようなものか、どのような人が請求可能なのか、どうやって過払い金を取り戻せばいいのか、お伝えいたします。

過払い金とは

まずそもそも過払い金とはどのようなものかを知りましょう。過払い金とは、金融業者に対して、返済の際に払い過ぎていた金額のことを言います。そして、それを金融業者に請求することで、あなたの元に戻ってきます。そもそも貸金業者に対して普通に返済をしているだけで、どうして払い過ぎていた部分のようなものが発生するのでしょうか。

貸金業者からお金を借りると、返済の際に利息と一緒に返済する義務を負います。契約の際にどのような条件をつけるかは基本的に自由とするのが私人間の取引のルールなのですが、だからといって貸金業者が利益を得るためにあまりにも高利を取ると、契約者は利息の支払いに苦しむことになってしまいます。そのため、利息が過度に高くなりすぎないように、法律で制限をしています。

利息の上限を定める法律には「利息制限法」と「出資法」の2つがあります。利息制限法は取引に関する民事上の効力を定めており、出資法は上限を超えた場合に刑罰を科す旨を定めています。

利息制限法は下記の通り、元本額によって上限利率が決まっています。

元本額利率
10万円未満20%
10万円以上100万円未満18%
100万円以上15%

一方、出資法は20%が上限となっていて、20%を超える利息で貸金業を営むと刑事罰で罰せられます。いわゆるヤミ金融は、トイチと呼ばれる利息で貸している場合は365%で貸し付けをしているので、摘発されるときの容疑は出資法違反となるわけです。この利息の上限について、出資法は制定された当時から現在の利息なのですが、出資法についてももっと高い利息でした。現在の出資法の上限利率である20%に改正される直前には29.2%が上限で、はるか昔ですが高い頃には109.5%という時代もあったのです。

多くの消費者金融・信販会社が利息制限法以上出資法未満のいわゆるグレーゾーン金利で貸し付けていました。この出資法の改正をされるまで、多くの消費者金融・信販会社が利息制限法以上で出資法に抵触しない利息で貸し付けを行い、利益を得ていました。
このような利息を業界用語で「グレーゾーン金利」と呼んでいます。

グレーゾーン金利で得た利益は契約者に返還しなければならないと最高裁が判断しています。このグレーゾーン金利は、利息制限法には違反している状態です。出資法に違反をすると刑事罰に課されるのですが、利息制限法に違反するとどうなるかについては規定がありません。グレーゾーン金利を受け取っていたことに対して様々な裁判が行われてきた結果、最高裁判所は次のような判断を下してきました。

判決の年月日判断内容
1964年6月13日過払い金の受け取りは無効
同上元本が残っている場合には過払い金は元本に充当される。
1968年11月13日過払い金は契約者に返還する義務がある

二番目の元金への充当というのが分かりづらいと思うのですが、元金が30万円で、過払い部分が20万円発生していた場合には、元金の30万円と相殺して残金が10万円になるという扱いをすることになります。

過払い金の対象者

過払い金が発生する根拠について確認した上で、どのような人が過払い金請求をすることができる対象になるのかを確認しましょう。

まず、貸金業者がグレーゾーン金利で貸し付けを行っていた場合です。多くの消費者金融・信販会社がグレーゾーン金利で貸し付けを行っていましたが、貸金業者の中でも銀行・銀行系の信販会社は利息制限法以内で貸し付けを行っていますので、過払い金は発生しません。また一部の消費者金融(モビットなど)や信販会社(JCBなど)も利息制限法を超えない貸付を行っていましたので、過払い金の対象にはなりません。アコム・プロミスなどの大手の消費者金融はもちろん、オリコ・クレディセゾンなどの大手の信販会社でもグレーゾーン金利で貸し付けを行っていましたので、過払い金の対象になります。また、これらの会社でも、現在の利率に改正された出資法が施行された2010年6月18日以降は利息制限法での貸付を行っていませんので、過払い金は発生しません。

次に、時効にかかっていないことが条件になります。時効というと刑事事件を思い浮かべるという方も多いと思いますが、民事でも時効の制度があり、金銭請求権の場合には一定期間行使しないと、相手は時効を主張して金銭請求を拒むことができます。過払い金請求は法律上は民法の不当利得返還請求権(民法703条)という法律がベースになっており、その当時の時効に関する法律によると、請求できるときから10年で事項にかかります。上述したとおり、過払い金は2010年6月18日以降は発生しておらず、完済をしてから10年以上を経過してしまっているものについては、時効にかかっていることになります。そのため、自分で請求をした場合はもちろん、仮に弁護士に依頼をして請求しても、時効を主張されて返還を受けることはできません。

最後に、貸金業者が破産していないことも条件になります。貸金業者の中には過払い金請求によって一気に経営が傾いてしまい、倒産してしまった場合があります。倒産といっても様々な種類があり、会社更生や民事再生をした場合には、わずかですが債権届出を行えば取り戻しをすることが可能です。たとえば、武富士に対して借り入れをしていた場合、武富士は会社更生法の適用を受けて倒産し、過払い金は3.3%の返還のみ可能となっています。倒産の中でも破産をしたような場合には、すでに法人がなくなってしまっておりますので、返還の請求はできません。たとえば、三和ファンナンス(SFコーポレーション)から借り入れをしてた場合、三和ファイナンスはすでに破産をして会社が消滅しているので、過払い金の取り戻しができなくなっています。

過払い金請求の流れ

では、過払い金請求についてはどのように行えばよいのでしょうか。過払い金の請求は個人でも行うことは可能です。しかし、法律や手続きに関する詳細な知識が必要なうえに、貸金業者との激しい交渉を必要とします(発生している過払い金がいくらか?何パーセントの返還とするのか)。弁護士に依頼をすると、手続を代行できるうえに、弁護士は貸金業者に関する情報を共有しているので、貸金業者でも無駄に強硬な主張をすることもありません。確かに弁護士に依頼をすれば弁護士費用がかかるのですが、費用以上に多くの金額を取り戻すことが可能となる場合も多いので、弁護士に依頼しましょう。

過払い金を申し込む際にはまず法律相談を行います。過払い金が発生している会社なのか、借り入れ時期から過払い金が発生している可能性があるかなどを、相談者のヒアリングをもとに判断をします。法律相談をする場合には通常は費用がかかるのですが、過払い金請求の場合には法律相談料は無料とする弁護士が多いので、積極的に利用しましょう。

あとは弁護士が交渉をまとめてくれるのを待ちましょう。多くの場合弁護士費用は手に入れた過払い金から差し引いてくれるという処理をとっていますので、基本的には待つだけになります。

最後に

このページでは過払い金とはどのような権利かといったことについてお伝えしてきました。現在では時効にかかっている可能性も高いものになるので、まずは弁護士に相談をしてみて、取り戻しが可能かどうか確認をしてみましょう。